
今回は初心者の方がプラモデルの塗装を始める際に必要となる塗料と道具に関してまとめてみました。
一口にプラモデルの塗装と言っても3つの方法があります。
- 筆塗り塗装
- 缶スプレー塗装
- エアブラシ塗装
どれが良いという訳ではなくそれぞれに一長一短がありますが、一般的には筆塗り→缶スプレー→エアブラシの順に美しく仕上がります。
塗装に関する考え方は人それぞれですが、私はエアブラシで塗る比率が高ければ高いほど綺麗に仕上がると考えているので、どうしてもエアブラシでの塗装が困難な部分だけを筆塗りで補完するという方法をとっています。
筆塗り塗装とスプレー塗装の比較
筆塗り塗装

筆塗り塗装のメリット
筆塗り塗装のメリットはなんといっても低予算で気軽に始められる事で、1本150円前後の塗料と薄め液、300円程度の筆があれば特別な設備投資も必要ありません。
又、スプレー塗装でカバーできない細かい塗り分けなどは筆塗りに頼らざるを得ません。
筆塗り塗装のデメリット
筆塗り塗装のデメリットは、やはりムラになりやすく大きな面の塗装には向いていないということです。
筆ムラはガンプラやミリタリーなどの艶消し塗装であれば比較的目立ちにくいのですが、カーモデルなどの光沢塗装をムラ無く仕上げるのは限りなく困難です。
缶スプレー塗装

缶スプレー塗装のメリット
缶スプレー塗装は扱いに多少の慣れは必要なものの、広範囲をムラ無く塗装することができます。
特にカーモデルのように塗装面積が広く均一な光沢が求められる塗装は筆塗りでは困難であると共に、スプレー塗装は筆塗りに比べて大幅な時間短縮(効率化)にもなります。
缶スプレー塗装のデメリット
缶スプレー塗装の最大のデメリットはランニングコストが馬鹿にならないことです。
缶スプレーは1本700円前後なので、例えばクルマのプラモデルを作る場合、最低でもボディ色とシャシー色で1400円程度の出費になります。
ちなみにエアブラシ塗装をしようとした場合は数万円の初期投資が必要ですが、いったん購入してしまえば缶スプレーに比べてランニングコストは格段に安くつきます。
二つ目は当たり前ですが混色ができないことで、残念ながらガンプラの塗装には使い物になりません。
又、スプレー塗装は細かな塗り分けは苦手なので、マスキングができない形状や大きさの場合、筆塗りに頼らざるを得ません。
塗装に必要な塗料と道具
筆塗り塗装に必要な道具
瓶入り塗料

クレオス・タミヤ・ガイアノーツなどから多数発売されていて、一般的な模型店、通販などで簡単に入手できます。
ラッカー塗料・エナメル塗料・アクリル塗料・水性塗料があり、ラッカーは乾きが速く塗膜が丈夫で、エナメルは乾きが遅く塗膜もやや弱いという特性があります。
アクリル塗料の特性はラッカー系とエナメル系の中間といった感じですが個人的にはあまり出番のない塗料です。
但し、アクリル塗料は台所洗剤のマジックリンで綺麗に拭き取ることができるので、そういった特殊な使い方が想定されるシーンではとても重宝しています。
水性塗料は臭いがほとんど無いという以外は特にメリットが見いだせないので私は全く使っていません。
乾燥が遅いほどムラになりにくいので筆塗りにはエナメル塗料が向いていますが、ラッカー系塗料で筆塗りする必要がある場合はリターダーを使って乾燥を遅らせると良いでしょう。
薄め液

瓶入りの塗料はそのまま使用するには濃すぎるので、適宜、薄め液で希釈する必要があるのと、使用した筆を洗浄するのにも薄め液を使います。
使用する塗料のメーカー、シリーズに適合した薄め液が必要です。
筆

必要以上に高級なものは必要ありませんが、タミヤなどからプラモデル用として販売されている筆が無難です。
太さを変えて数種類揃えておくとよいでしょう。
塗料皿

塗料を薄めたり調色する際の必需品ですが、少量の塗料を扱うのであれば100均で売っている弁当用のアルミカップでも代用できます。
調色スティック

塗料を攪拌したり調色する際に使用します。
爪楊枝や竹串などでも代用できますが、調色の際に計量しやすいようにスプーンも付いているので1本あると便利です。
スプレー塗装に必要な道具
缶スプレー

タミヤ、クレオスなどから多数発売されていて手軽に利用できますが、エアブラシに比べて粒子が粗いので塗膜が厚ぼったくならないよう注意したほうが良いでしょう。
又、吹き方には缶スプレーならではのコツがあるので慣れが必要です。
コンプレッサー&エアブラシ(ハンドピース)

エアブラシ塗装にはコンプレッサーとエアブラシ(ハンドピース)が必要です。
これらを購入するとなると数万円の初期投資が必要ですが、エアブラシから噴射される塗料は缶スプレーに比べて粒子が細かくより美しい仕上がりが得られますし、細吹き(線吹き)による戦車の迷彩塗装も可能です。
塗料は瓶入りの塗料を使うので、缶スプレーを使い続けるよりもランニングコストは格段に安く済みます。
初心者の方はまずは缶スプレーから始めてみて、満足する結果が得られなければエアブラシへのステップアップを検討されてみてはいかがでしょうか。



塗装ブース

塗装ブースは缶スプレーやエアブラシから噴射される塗料のミストを屋外へ排出するための機械で、室内でスプレー塗装をする際には必需品です。
筆塗りしかしないのであれば必要ありませんが、頻繁にスプレー塗装をする場合は健康的にも衛生的にも用意したほうが良いかと思います。

マスキングテープ


低粘着力の紙製テープです、スプレー塗装の際にひとつの部品を複数色に塗り分ける際の必需品です。
塗装の持ち手&塗装ベース

スプレー塗装の際に細かい部品を挟んで保持するためのツールで、下の写真のようにハニカム状の段ボール(塗装ベース)に立てて使用します。


割り箸と両面テープも意外と活躍します!
まとめ
ここまで塗装に必要な道具を紹介してきましたが、ジャンル別に分かりやすく分類すると以下のようになります。
- ガンプラ→筆塗り/エアブラシ
- クルマ&バイク→缶スプレー/エアブラシ(一部筆塗り)
- 戦車&戦闘機→筆塗り/缶スプレー/エアブラシ
プラモデルを趣味として長く続けていくのであれば、エアブラシならどのジャンルもカバーできます。
仕上がりの美しも考慮すると最初に掛かる経費は十分に回収できるもの思います。